めんちょうで顔や背中に現れる小さな発疹は皮脂腺の詰まりや細菌の増殖によって引き起こされることが多く、その一因で知られる微生物が特に注目されています。
この微生物は皮膚の常在菌のひとつで通常は肌のバランスを保つ働きを担っているものの、毛穴の中で皮脂が過剰に分泌されると急速に増殖し局所的な炎症を引き起こします。
その結果で現れるのが、赤みを帯びた発疹や膿を伴うしこりのような症状です。
ニキビでこれらの症状は年齢や体質、生活習慣などにより個人差があり思春期に多く見られるものと成人以降に発生するものでは原因や対処法が異なる場合もあります。

プロピオニバクテリウム・アクネス菌で中でも炎症が深部にまで進行すると、通常の皮膚疾患とは異なる経過をたどることがありより強い腫れや痛み膿の蓄積などが見られるのが特徴です。
このような症状の進行には先述の細菌が深く関わっており、環境が整えば爆発的に増殖する性質を持つため適切な対応がなされない場合局所の炎症が広範囲に及ぶこともあります。
したがって初期段階での的確な判断と早期の治療が重要となり、日常的なスキンケアや衛生管理だけでなく皮膚科医による専門的な評価が勧められます。
外用薬の選択が症状に与える影響
皮膚の炎症性トラブルには赤みやかゆみを抑える外用薬が処方されることが一般的ですが、その選択には慎重な判断が求められるのです。

ステロイド成分で特に炎症が強く進行している場合には鎮静を目的とした成分が含まれた外用薬が処方されることがありますが、それがすべての症状に適しているとは限りません。
一見効果的に見える成分の中には、使用部位や症状の種類によって逆効果となることがあるためです。例えば皮膚の深部で感染が進んでいる場合には表面的な炎症を抑えるだけでは不十分で、原因そのものに働きかける治療が必要になります。
こうした中で問題となるのが、誤った外用薬の選択による症状の悪化です。とくに自己判断で使用される場合適切な診断がなされないまま対処されることにより、かえって炎症が長引いたり肌のバリア機能を損なう事例も少なくありません。
過剰な使用や誤用によって皮膚が薄くなったり、色素沈着などの副反応が出ることも報告されています。
そのため強い腫れや痛み、化膿を伴うような症状がある場合には安易に市販薬を使うのではなく医師の診察を受けたうえで適切な処方を受けることが大切です。
特に顔や首など皮膚が敏感な部位への使用は注意が必要であり、長期使用による影響も考慮しながら治療方針を立てることが望まれます。